動物栄養生化学とは生体と飼料や食料との相互作用を生理・生化学やそれに関連する分子生物学や免疫学を基礎にして研究する応用科学である。本分野では主に家禽の栄養特性を個体レベルで解析し、その発現にいたるまでの情報伝達や代謝制御の仕組みを遺伝子・オルガネラ・細胞・個体のレベルで解明することにより、種に固有に保存される栄養特性の生理意義を理解し、生体維持機構のカギを追究している。

●各種栄養素・非栄養素の生理・生化学的特性解析

脂肪酸(オクタン酸、リノール酸、DHA)、アミノ酸(グリシン、グルタミン)、糖(キシリトール)、カロテノイド(アスタキサンチン、ゼアキサンチン)などの栄養特性を解明し、 ニワトリの内分泌機能、ミトコンドリア機能やストレス応答制御などに応用する研究基盤づくり。

●ニワトリのエネルギー代謝ならびに脂質代謝、糖代謝の種特異性の解明とその栄養制御

ミトコンドリア呼吸活性、脂質合成、リポプロテインの分泌と取り込み、細胞内へのグルコース輸送 ならびに骨格筋におけるインスリン応答などの鶏の特性の解明と制御。

●家禽の培養筋細胞、培養肝細胞、培養脂肪細胞におけるタンパク質・脂質・エネルギー代謝の栄養生理と遺伝子発現

家禽における 骨格筋のエネルギー産生(UCP、ANT、PGC-1α、HADH、CS)、脾臓(ChTL1A、IL-1β、IL-6、IFN-γ、iNOS)、筋形成(MyoD、Myogenin、Myf5)、リポプロテイン輸送(Apo B、LRP、lipid transfer proteins)、グルコース輸送(GLUT)における制御遺伝子の検索と同定、ならびに栄養制御

 

●環境ストレスに対する代謝応答と免疫応答の栄養制御

メチオニン、必須アミノ酸、キシリトール、ソルビトール、アスタキサンチン、DHA、アスコルビン酸等の給与による免疫応答やストレス応答の栄養制御

 

●新規栄養資源の開発と畜産物の品質改善

天然素材飼料(カシュナッツ殻油やスピルリナ飼料)の開発ならびにカロテノイド給与による高品質鶏卵・鶏肉の生産システムの確立